抗菌・消毒・除菌・殺菌・滅菌の違い

様々な除菌液など、コロナ対策商品が薬局などでも手に入れやすい時代になりました。しかし、それぞれのパッケージを見てみると、商品によってその表記が違うことが分かります。しっかりと意味を把握して、出来る限り確実な対策を打ち、それを患者さん、お客さんへ訴求していければと思います。

抗菌とは、「菌の増殖を抑えること」を指します。
増殖を抑えるのが抗菌なので、直接菌やウイルスを殺したり減らすものではなく、あくまで菌の活動しにくい環境を作ることを意味しています。また、経済産業省においては、ウイルスに関しては抗菌の定義に入っていません。
コロナ対策において、「コロナウイルスに対して効果立証済み」「効果が半永久的に続く」という謳い文句の商品が出てきていますが、”ウイルスを殺し続ける”ものかどうかをしっかりと見極めなくてはなりません。

除菌は「菌やウイルスを取り除き、その数を減らすこと」を意味しています。菌やウイルスを殺すのではなく、”除去”することを意味しているため、手洗いなども広い意味での除菌になります。
また、きれい生活クリモアは「雑貨」にカテゴリされるため、どれだけ研究機関によって「不活性化」というエビデンスが出ても、販売時の表現は「除菌」となります。（逆に言うと、医薬品や医薬部外品以外で「殺菌」という言葉を使っていると薬機法違反となります。）

殺菌は菌を殺すことを指します。菌やウイルスを殺す量、数に関しての明確な定義はありませんが、薬機法により医薬品、医薬部外品の商品にのみ使用してよいという指定があります。

滅菌は菌やウイルスを限りなくゼロに近づけることを意味しています。菌、ウイルスを1/100万まで減らすと明確に定義されています。
医療現場においてはオートクレーブなど様々な滅菌機を使い、注射器や歯科医院では口腔内に入れるインスツルメントを滅菌処理して使用しています。

消毒は、菌やウイルスを害のない程度まで減らすことを意味しています。
殺菌と同じく、薬機法により医薬品、医薬部外品のみに使用できる表現になっています。

中には「洗浄タイプ」というアルコールも存在します。
あたかも除菌、コロナ有効と思ってしまいますが、低濃度アルコールで「洗浄」という概念の商品もありますので、アルコール濃度の確認をしっかりとするようにしましょう。